第1回 全国の高校生の自主制作アニメーション・コンペティション

Highschool A nimation Competition 2020

最終審査結果

森田宏幸賞

「TOKA」

東京都立総合芸術高等学校 中村 都麦さん

伊藤有壱賞

「Nightmare」

香川県立善通寺第一高等学校 岡井 莞志さん

数井浩子賞

「紅茶の魔法」

茨城県立笠間高等学校 干川 未琴さん

奥田誠治賞

「月に一度の秘密のパン」

三重県立飯野高等学校 樋廻 里彩さん

特別賞

「彼女は45度令嬢」

東京都立総合芸術高等学校 熊谷 萌花さん

準グランプリ

「犬と少年」

埼玉県立越生高等学校 Mairuさん

グランプリ

「LAST BIT OF LIFE」

東京都立総合芸術高等学校 八木 紬さん

審査員総評

アニメーション演出家

奥田誠治

現代の高校生は幸せである。


私が高校生だったころは、映像制作など夢にも考えていなかった。
PCなどはなかった。秋葉原へ行きパーツを買い、ラジオを作っていた世代だ。

20代の頃、ようやくテレビが普及し、アニメという職業がいきなり生じた。モノクロ放送の時代だ。そのままプロになった。だからプライベートアニメは作ったことが無い。


デジタルの時代に生きている。そして自分の創りたいものが創れる。
それはとても幸せなことだが、だからといって、その状況を生かしきれているかと言えば否である。


講評の点数は、10点満点中、発想5点、技術5点の配点とした。
技術にはアニメ技術と演出力を含む。表現する技術と、それを応用して、自分の考えを視聴者に伝え、より感動させることを含む。


発想は、若者らしい新鮮なものも多かった。しかし、それを生かす演出力が不足していた。アニメの場合、絵コンテが演出の根幹を担う。
まず、絵コンテの技術を学んで欲しい。絵コンテには映像、台詞、音響など全ての要素が含まれる。コンテ上で試行錯誤した上で作品をより良くして欲しい。今後の課題である。


犬や動物をあつかった作品も多かった。楽しい作品、悲しい作品、どれもよく出来ていた。描きたい“心”が有ったからだろう。
心が無いと作品にはなり得ない。単なる技術の提示で終わってしまう。
二年生の人も多かった。是非、再チャレンジをして欲しい。やり残したこと、新しく発想したこと。来年、また会いましょう。


そして三年生の皆さんにはいずれ何処かの職場・学校で再会するかもしれない。
その時は是非、声をかけて欲しい。「第一回HAC2020に参加した者です」と。
私もそれまでは現役を続けたいと思う。アニメが大好きだから。

アニメーター・演出家

数井浩子

どの作品もそれぞれの雰囲気があり、観ていてとても楽しかったです。

まずは、みなさんが作った作品に「頑張って作ってくれて、ありがとう!」を言いたいです(そして、ご指導してくださった先生方にもお礼申し上げます)。

 

高校生のとき、私はマンガ研究会に所属していたのですが、当時、タツノコ研究所に同じ高校を卒業した大先輩がアニメーターとして在籍していました。

その先輩はよく、「アニメーションは総合芸術なんですよ。絵だけではなくて、動きも撮影も音楽も全部が表現芸術なんですよ」とおっしゃっていました。

 

アニメーションの魅力や楽しさは、ストーリー、キャラクター、人形造形、カラーリング、ライティング、背景美術、音楽、声が合わさって創られるものです。

合わせたすべてです。

手間と時間のかかる「総合芸術」だと思います。

でも、試行錯誤しながらも創っているその時間が楽しいのもアニメーションのいいところですよね。

みなさんには、是非、これからもアニメーション創りを通して豊かな時間を過ごしてもらえたら嬉しいなぁ、と思います。

アニメーションディレクター

伊藤有壱

初めて参加させていただきました。


全国から集まった作品の中34作品に接して、数、内容の多様さは嬉しい驚きでした。


新型コロナ感染症の厳しい状況下ですが、長い時間と根気良さが必須なアニメーション創作がそこにはまったならば、これもチャンスと言えそうです。


初めて作った楽しさが溢れている作品、テーマやメッセージが自分の内にあって作らずにいられなかった作品、技法もデジタル2D、鉛筆での作画、実写との融合、ストップモーションなど多岐にわたっており、その背景に、高校でのアニメーション教育や、インターネットからの自主学習など、10年前にはなかった兆候が見られます。


自分が初めてアニメーションを作ったのは高校1年の時、同好会を立ち上げ1年かけた27分のSFアニメ。何も参考がない中で手探りで作ったことから考えれば隔世の感です!


それでもアニメーション創作の原点が「自分のイメージが動いた時の感動」であることは変わりません。この感動を受けた人、ぜひ作り続けてほしいと思います。

全体見て気づくのは作品の中サウンドにしっかり取り組んでいるものとそうでないもので印象の差が開くことでした。そうしたセミナーなどもできたら全体の向上につながる可能性は高いと感じました。

アニメーション監督

森田宏幸

魅力的なたくさんの作品をありがとうございました。


アニメーションという、やってみると意外と困難な表現形式に挑んで完成させ、エントリーされた作者のみなさんは皆、立派です。そしてまだ荒削りだからこそ、才能の原石の輝きが多く見つかりました。


才能は作れば作るほど磨きがかかっていきます。

 

今後も是非、アニメーション作りを楽しんで、ご自身の才能に磨きをかけて行ってださい。